2014年8月30日土曜日

言語境界線と原発

まだオーストリー・アルプスの中にいます。言語のことではなく、原発のことを書きます。この地図はフランスの原発所在地を示したものですが、今回の旅行では随分と原発の近くに泊まったり通ったりしました。例えばグラブリーヌという一番北の原発から、20kmくらいのベルグbergueの町に泊まったし、東側のフェッセンハイムという所からは国境をこえて30kmくらいの所に滞在しました。私は世界中の原発がなくなった方が良いと考えてはいますが、今回の旅の目的と原発問題は関係ありませんでした。じゃあ何故に何度も原発のそばを通ったのでしょうか。これって偶然?もちろんフランスは原発大国なので、犬も歩けば原発に当たるのかもしれないけど・・・






この写真は今回の旅ではなく、昨年ローヌ川に沿った高速を走っている車中から撮ったものです。どの原発かは確認していませんが、高速道路のすぐ際に建っています。日本では海沿いですが、地図で分かるようにフランスでは川沿いに原発が林立しています。そして国境線沿い、人口の少ないところというのも重要な要素です。一方で私の旅の目的、ゲルマン語ロマンス語言語境界線はドイツとフランス国境線沿いだし、人口が多い都市化されたところは言語が変化しやすいので、どちらかといえば田舎を回っています。
この写真も今回のものではありませんが、シュパイアーというライン川沿いのドイツの町に、中世のユダヤ人の痕跡を訪ねました。行って驚いたのはこの町のわずか5kmの所に、フィリップスブルグの原発があることでした。ドイツは原発廃止を決めているものの、ここのようにまだ数年は稼動を続けるものもあります。フランスの原発地図では分かりませんが、このライン川沿いには、数々の原発が並んでいます。実はゲルマン・ロマンス境界は、かなりの部分でライン川に平行してその南側を進んでいます。これはローマ帝国領土の最大域とも密接に関わっているのです。そしてその歴史の証人ライン川は、今日では原発銀座でもあるのです。

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