フランスの北西の端にあるBerguesという町に来ました。やっと旅の本来の目的地、ゲルマン語ロマンス語境界にたどり着きました。ここは以前はオランダ語(フラマン語)が話されていた地域で、先日ここに載せた地図を見ていただけるとわかるように、中世と近代で言語境界線大きく北に動いた場所なのです。フランス領内のフラマン語使用地域ということで、英語でフレンチ・フラミッシュといっておきます。20世紀始めころまでは、多くの人がオランダ語を保持していましたが、2度の世界大戦の後の若い世代はほとんどフランス語しかできなくなってしまったようです。オランダ語を祖父母の世代には使っていたが、父母は聞いて理解はできるけれども、子供の世代は全くできないといわれた世代がもう60代以上で、現実的にはフレンチ・フラミッシュのフラマン語は死語になりつつあります。つまりこの地方の言語境界線は、あの地図に描かれている赤い線よりも北のフランス・ベルギー国境線と実質的に重なってしまったということです。
これが何にもない田舎の国境線です。 ベルギー側を見ています。
これがその反対のフランス側の「税関」カフェ。
ただ文化的には、レンガづくりの町並み、運河、カリヨンの塔、コーヒーのまろやかさ、クロワッサンの洗練されなさ等々どこをとってもフラマン圏といった感じです。フランス国旗が立っているのはBergues市役所。Berguesはフラマン語名も持っていて、St-winoksbergenといいます。
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